[不定期]編集部コラム
「タイトル未定」いきなり問題作(?)連載開始金
2015/5/15
「マネー! マネー!」鬼の形相のイタリア系熟女が僕の部屋のドアを蹴破り(?)叫ぶ。壁は真っ白。ベッドのスプリングはユルユル。小さな窓からはすき間風がヒュー。3畳ほどの、しかも三角形の角部屋。逃げ場は、ナイ!
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編集長のさがらっちです。「いきなりどうした?」とお思いでしょう。
編集部の面々が徒然なるままにつづるコラムですが、そろそろ変化を付けたいなと思いまして。
クリエイティブだったりメディアな職業に興味がある人、海外留学に興味がある人……そういった人に向け、私の実体験をもとに書いていこうと思います。
英語がまったくと言っていいほどできなかった人間が衝動的に、思いつきで、イギリスという遠い国に行って生活してきた話――を“おおよそ毎週”連載小説風にお届け。
では、冒頭の続きを。
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「あ! ヒースロー空港で両替してないや! あの迎えのオッサン、気が利かないなぁ…。教えてくれてもいいのね」心の中でつぶやいた。
今思えば“鬼の形相のイタリア系熟女”ことホストマザーは「pay rent」か「pay fee」ともジェントルに言っていたのだろう。だけどそんな難しい単語、当時の僕には聞き取れやしない。「あ、こいつダメだ」と悟った途端、「money! money!(マネー! マネー!)」誰にでもわかる表現に切り替えて、大声で叫んできた。
いずれにせよ、払えない。今の自分の精一杯の英語表現「I have no money!」泣きそうな顔になりながら伝えると、般若とも鬼嫁とも言えそうな恐ろしい顔が僕の眼前に迫る――。
(どうやら日本のエージェントとホストマザーの連絡ミスで、僕は日本に居るときに
最初の1週間分のホームステイ料金は既に支払い済。だけどそれが伝わっていなかっただけのようだ。日本のエージェントに鬼嫁がその場で電話して解決)
最初からこんな感じで、「大変なところに来てしまった」そう考えつつ、心身両方の疲労でその後の記憶が無いくらいグッスリ寝てしまった。これから1日が始まる時間だというのに――。
(第1話 終)
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