[不定期]編集部コラム

神は細部に宿る!?

2015/7/13

自分はひょっとしたら振り飛車が向いているのでは……と悩むくらいに棋力が伸びない、純粋居飛車党の編集部Mことミヤケルです。

「勤務時間にマンガばかり読んでいる」
「そもそもデスクにあまりいない」
「根源的に机が汚い」

……こんな黒いウワサの多い私の弁明のためにも、あまり知られていないマンガの編集のお仕事の一部を独断と偏見を交えてご紹介したいと思います!

マンガ編集者のいちばんのお仕事は、何といっても面白い作品を送り出すこと!
作家さんとファミレスなんかで熱い打ち合わせ! なんてイメージですよね。
ただ本日のコラムでは意外と知られていない、編集作業の地味ぃ~な実務についてご説明します。
みなさんは「写植」(写真植字)という言葉をご存知でしょうか?
グーテンベルクという人が活版印刷を~という話しをすると長くなりますので、超越的に要約すると「マンガの中の文字を調整すること」です。

フキダシのセリフのフォント(字体)や文字の大きさを整えることですね。
勢いのあるセリフなのに、字が細かったり小さかったすると、気持ちよく読めなくなってしまいます。
ここで、好評発売中の月刊ブシロード8月号から、
「スマホ忍法帖ススメ」の調整前と後のコマをご覧ください。
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忍者スマホのナビゲーションアプリ(気になる人は本誌と試し読みをチェック!)である、ヒロインのいろはちゃんのセリフです。
一般的なキャラクターと同じフォントだと、デジタル(?)な存在であるいろはちゃんの個性が薄れてしまいます。
そこで、フォントを変えてみると――。

なんとも浮世離れした感じになりましたね。
このようにして、マンガに込められた作家さんの魂的なモノをなるべく伝わるように整えるのも、マンガ編集の大事な仕事なのです。
みなさんも、好きな作品の文字にまで注目してみてください。

マンガをより深く楽しめるようになると思います!

ミヤケル

月ブシの多くの漫画を担当する元・コミック番長。脱サラ気分で人生を過ごす変わり者だが、仕事が早く、切れ味鋭い毒舌を吐く。趣味の将棋は3段の腕前。新宿区の実家から通う都会っ子だ。

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