[不定期]編集部コラム

マンガに命を救われた話

2015/2/23

コミックやら担当の編集部Mことミヤケルです。

マンガにはときに、人の命を救うような無限の可能性があります!(断言)

今回は私がとある作品のおかげで、九死に一生を得たお話をさせていただきます――。

あれは前職の週刊誌を辞めて、海外で遊んでいた頃です……。
(インドアの素晴らしさを実感するために、対極のことをしてみました)

私はなんとなくインドを陸路で、一周しようとしておりました。

悲劇が起こったのは、南インドのとある街でのことです。

滞在も一ヶ月を超えると、インドの強烈なノリにもだいぶ慣れてきます。

この慣れというものは、とても怖ろしいものです。

そのときの私は何も考えずに、朝の浜辺をお散歩していました。

入国したばかりのときならば、こんなにぼんやりはしなかったでしょう……。

ギャン、ギャン、ギャン――

背後からいきなり、獰猛な唸り声が聞こえてきました。

野犬が3匹、ものすごい勢いで襲いかかってきたのです。

インドの野犬といえば狂犬病のリスク極大です……。

私はパニックになりました。

逃げるにしても、周囲に建物などなく、人もいません。

剥き出しになった牙が、今でもしっかりと目に焼き付いています。

YARARERU――

死、すらも覚悟した瞬間に脳裏に言葉が浮かびました。

「狂犬」

「狂犬は――」

「狂犬は水を怖がる!!」

その瞬間に、私は荒れ狂う海に飛び込みました。

着の身着のままで波に巻かれる私を、狂犬たち浜辺から威嚇するのみでした。

私は……助かったのです。

襲いかかられる直前に思い出した言葉。

これは『金田一少年の事件簿 魔犬の森の殺人』で得た知識でした。(恐水症!)

単行本で追っていたというわけでなく、連載中に読んでいただけです。

そう! なんとなくマンガによって吸収した知識が、死の間際で蘇ったのです!!

創作物には娯楽という以外にも、知恵や勇気を与えてくれるという素晴らしい側面があります。

そんなわけで、みなさんも自信を持って、たくさんマンガを読んでくださいね!

※写真はイメージです。

ミヤケル

月ブシの多くの漫画を担当する元・コミック番長。脱サラ気分で人生を過ごす変わり者だが、仕事が早く、切れ味鋭い毒舌を吐く。趣味の将棋は3段の腕前。新宿区の実家から通う都会っ子だ。

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