[不定期]編集部コラム
月刊ブシロード6月号は発売中&7月号の作業を編集部員はしているよん!金
2015/5/22
編集長のさがらっちです。クリエイティブだったりメディアな職業に興味がある人、海外留学に興味がある人……そういった人に向け、私の実体験をもとに書いていくこの連載。
第1回は☆こちら☆
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成田→香港→ロンドン……乗り継ぎ便。随分と長い時間、乗っていた。15時間くらいだろうか。閉じ込められていた、というほうが心情的にはあっているだろう。
「いつも曇り」という予備知識はあったし、季節も9月だったので、覚悟はしていた。だけど入国手続きを済ませ、到着口から外を見ると"真っ暗闇"。
「おいおい! 不安にさせるなよ!!」
ふと、壁の時計をみると、まだ現地時間は午前4時台。どんな時間に着く飛行機だっての!
さすがはヨーロッパのハブとも言われているロンドンのヒースロー空港。ネームプレートを持った迎人が無数に……なんて書きたいところだが、こんな時間ではせいぜい4~5人だ。なのに、い・な・い!
俺の名前がないじゃないか!!
10分ほどウロウロしただろうか。ヘラヘラニヤニヤしながらお腹の出たおっさんがキマり悪そうにこっちに近づいてきて「you? Mr.Sagara?」
ホッとすると同時に、「大丈夫かよ、こいつ」疑いの気持ちも芽生える「ヨーロッパで最初に出会った人」だ。
オンボロ、だけど少し大きめの車に、僕の無駄に大きなトランクも乗せ、いかがわしいおっさんが運転する車が走り出す。窓の外を見ると「本当にシャーロック・ホームズが出てきそう」レンガ造りの建物も散見する景色に感動するが、日の出前の暗さと不安でテンションは低いままだ。
1時間半ほどだろうか、「OK」おっさんが言うなり、とあるいかにもノーマルな一軒家の前に停る。
トントン。トントン。トントン。
「あれ?」みたいな顔をするおっさん。
「おい、さらに不安にさせるなよ!」
トントン。トントン。トント
ン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「え~~宿なし? てことは外に放り出されて氏んじゃうの?」心の中の自分と自分が会話している。
そこから沈黙が5分ほどだろうか。玄関ドアがあくと、とても眠たそうな顔の30代前半から中盤と思われるイタリア系の女性が出てきた。ジョバンナである。
ここが僕がホームステイする家。そしてジョバンナがホストマザーということになる――。
(第2話 終)
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